化粧療法の効果と可能性
『化粧療法(メイクセラピー)』は近年介護現場でも注目を浴びてきており、化粧をすることで「前向きな精神状態を作り出す」だけでなく、高齢者の方が「いつまでも自分の力(残存機能)で動作を行うことで自立支援にも繋がる」と言われています。私自身、1年間で100名以上の方に化粧をさせて頂いた中でもやはり歳を重ねても病気を患っても「綺麗でいたい」「外見を褒められると嬉しい」と感じている方が多いです。
また、アクティブシニア(地域にいる元気な高齢者)に対して化粧療法を行うことは、『外出機会を促進させ、認知症の予防や介護予防に繋がる』という研究結果も報告されています。実際に化粧を行う動作は、肩関節付近の大きい筋肉の力がなければ腕は上がりませんし、眉毛や口紅等細かい動作は指先の細かい動きが必要になります。その為、日常生活の中で食事をしたり文字を書くことより3倍の筋力が必要となるのです。また、化粧をする際には段取りや左右の対称性や濃さの調整も行うので脳を活性化させることも出来ます。
弊社が行なっている介護美容サービスでは、メイクを通して「綺麗になる」→「嬉しい」→「人に会いたくなる」を実感して頂き、その後はご本人様のレベルに合わせてご自身で行えるような工夫も行なっています。また、綺麗になった後は写真に残しご本人様・ご家族様にプレゼントさせて頂いています。私は、化粧療法はただのメイクではなく、心を動かし、日常生活に変化をもたらすことだと実感しています。介護美容サービスがもっともっと認知され、拡がると嬉しいです!